キャノンかニコンか

※以下の記事は、いつもニコンが新型をだしたら、欲しくなる気持ちを抑えるために書きました。ニコンは買いたくなる製品ではあるのです。


【キャノンかニコンか 】


一眼レフで写真作品を撮りたい入門者は、いずれかのメーカーを選ぶことになる。

  

機種によっては、オリンパスやリコーもありますが、ここではキャノンかニコンで。


これまでの私の経験では、プロの写真家はという言い方でお茶をにごします。

「キャノンもニコンもそれぞれ、いいところをわるいとことがある」

「キャノンとニコンはブランドの好き嫌いで選べばいい」

「デザインとか新製品ですすんでるようでいいんじゃない?」


でも、一度選んだら、ほぼ全財産をこれからも、そのカメラにつぎ込むわけです。

そんな、いい加減な選択では困ると思うので、ブランド選択について書いておきます。



 


 

プロカメラマンは、キャノン派とニコン派に分かれます。それにしたがって、アマチュアや一般人も。

それは、好みもありますが、仕事の関係とか大人の事情。

 

また、消費者の判断材料になるカメラ雑誌はいずれも広告主なので、中立な立場で「よいしょ」します。

 

私の主観とこれまでの経験から、結論は「キャノン」です。

(良い所しかないというわけではないですが)

  

 ニコンのD800がでたときに、キャノンよりニコンがいいかも?

という気がしました。 しかし、最近具体的な機能や使い勝手、そして作品づくりのための必然性から、ニコンという選択肢はなくなりました。

 

そのとき、踏みとどまって正解でした。

それは、より深い作品づくりの機材としてカメラボディとレンズのことを勉強して、実用性の違いを知ってから確信を持ちました。

(多くのニコンユーザーには申し訳ないですが、私の場合はこうです。また、メーカーが提供する範囲でカメラを使用する場合は、不具合はありません。記録写真だけ取れればいい場合も、好き嫌いで結構です)



【うすうす感じていたこと】

 

  • 戦艦大和の照準器のレンズをつくったニコンは、親方日の丸的な立場。日本の近代化の推進者である三菱財閥系。昔からお役所につながる立派な会社。
  • 後からできた民間企業のキャノンのような合理的でチャレンジ精神を感じない。
  • ただ、そういう遊びをしないニコンが好きだという正統派の気持ちもわかる。質実剛健。王道の官軍。
  • ニコンは、報道カメラマン向けでずっとトップだった時代が長かった。EOSシリーズ登場でその牙城は崩れました。それは、光学技術を保管するデジタル技術の領域です。ニコンは、デジタル化に後ろ向きだったので、センサーは自社開発しませんでした。現在も、ソニーに外注しています。
  • ニコンはプロ相手の商売を重視しており、キャノンよりも、プロではない一般個人をすこし後回しにした感じがする。キャノンは消費者向けKISSなど。
  • 色んなジャンルの写真があるキャノンギャラリーと報道シーンを意識したニコンサロンの写真展示のセレクトやポリシーのちがい。

 

 ニコンD810もいいですが、5D3と比較すると、メーカーの体質が製品づくりに現れている感じがします。D800が出た時は、やっとニコンがデジタルで復活舌感が有りました。

 

 


【実質的な選択理由】

キャノンのシャッター音はカッコ悪いですが、実質的に良い点があります。 

 

  • キャノンの方が、メニューや操作体系がよく考えられていて使いやすい。
  • キャノンの静音シャッターがとてもいい。
  • キャノンはマウントアダプターで高性能なニコンレンズも使える。
  • キャノンはドイツの最高峰コンタックスレンズが使える(アダプター使用)。




【最近発見したニコンのここが問題】

 

  • ニコンは、銘玉のコンタックスレンズがアダプターで使用できない。センサーとマウントの距離が長いため他メーカーレンズが使えない。単純に、歴史的な銘玉(描写がいいレンズ)が選択できない。
  • 二コンは、ライブビューがファインダーと同じで撮像シミュレーションができない。つまり、夜だと真っ暗で見えなくなる。(夕暮れとか夜景のとき困るでしょ)
  • ニコンレンズは、レンズを外すと「絞りが絞られる」。これだと、外した状態で撮影できない(普通はしないですが)。絞りが壊れたら、暗くて撮影できない!
  • 写真教室ではキャノンの先生が多い。

 

 

ひとことで言えば、「技術スペックのニコン、実使用価値のキャノン」かな。

これは、「ドコモとソフトバンク」「トヨタとホンダ」にも似ている選択ポリシーです。

 

この違いが伝わるかは微妙ですが、

 

「ニコンはかっこいい製品があって、それを使いたい人がいる」

「キャノンは、ある写真を撮りたい人がいて、そのための機材を開発している」

 



【5D3とD800対決でわかった】

もう数年前のこと、キャノンの5D3を出した時のメーカー判断は、それを象徴している。すでに成熟化した一眼レフカメラの新しい方向性が注目されました。


当時は、5D2の人気と実力は圧倒的でした。その後の新型機種の投入にはメーカーのポリシーが明確に反映されていたのです。

 

5D3には、大きな技術スペックの更新がなかったので、多くの人は熱狂できませんでした。

 

  • 高感度のノイズ性能
  • 静音シャッター
  • 高性能オーフォーカス
  • 画像エンジンの精鋭化
  • 見やすいファインダー

 

センサーの解像度やシャッタースピードなど、見せかけのカタログスペック競争をしなかったキャノンの宣伝戦略はインパクトが弱いものでした。カタログ段階では、にぶい反応でした。かれらは実際に写真を撮影して「作品づくりをすることがないモノマニア」なのだと思います。でも、5D2から5D3に買い替えするひとは多かった。


その後のニコンのD800は、技術使用でインパクトのある新型機種を投入したのです。結構、キャノンから乗り換えたひともいたと思います。


  1. ローパスレス(風)
  2. 3600万画素


風景写真のハイエンド機として人気を博しました。

 


【キャノンのものづくり発想とは】

 

その後、キャノンは廉価版の6Dをだしました。

フルサイズセンサー一眼の最安仕様をでした。「一般人にもよろこんでもらえる価格と仕様」です。


センサーが小さいAPSCではレンズのボケ表現が使いにくいという問題は、フルサイズセンサーでしか解決できません。でも、重くて高価なフルサイズ機は手が出しにくい。いい描写のレンズは、フルサイズ機用しかありません。

 

「写真ファンの作品づくり」「使う人の気持ち」に焦点をあてたキャノンの姿勢は、これからも「ものづくりのポリシーの基本」だと思います。

 

「使う人の気持ち」とは、例えばこういうことです。※コンデジでもいい人は別

 

一眼レフの風景写真は、

 

  • 夜明け前の暗がりだと画像ノイズがでる
  • シャッタースピードが遅いことがネック(ブレる)
  • 暗がりでライブビューで適正露出を確認したい
  • 暗がりでオートフォーカスがきかないのでなんとかしてほしい

 

これらが、5D3で大きく改善しました。

(これは暗い室内撮影でも同じ) 

 

 

技術競争も必要です。ライカ、ツァイスのような領域まで行くなら、それは称賛に値すると思います。

(例えば、最新のあのレンズとか、買えないけど本当は使いたい)

 

光学技術のベースはあるのだから、ニコンにはあと少しだけ頑張って欲しい。

 

 


いい絵が撮れてナンボということです。これらの曖昧な要素は、カタログでは表現が難しいかも知れません。「前の問題点をなんとかしました」とは書きづらいでしょう。

 

  1. 使いやすい(操作体系)
  2. 厳しい条件でも、ちゃんと撮れる
  3. 仕様が安定して継続する(実質的な性能向上)

 

古いものづくりの典型ですが、

 

  1. 高解像度(3600万画素で一枚60MBとか)
  2. 高級素材(最近は高価なカーボンもつかったD810など)
  3. 低感度での低ノイズ(低感度ISOならそもそもノイズは気にならないでしょ)

 

そこには、使う人の気持よりも、ものづくりの誇り(プライド)が優っている気がします。

 

ニコンの入門機もあるので、これらもこう



とはいえ、オリンパス、リコー、ペンタックスなども個性的なカメラは開発しており、魅力的なものもあります。

 

 某プロカメラマンはオリンパスの画像エンジンの色が一番好きだとおっしゃっていました。


気になる


  • フォーサーズのPEN
  • GRデジタル


ソニーは、ツアイスのレンズが使える一眼レフということで魅力的ですが、

結局、画像エンジンが独特で、どうもあの緑のけばけばしい発色は馴染めません。

デジタル現像する時代には、JPEG生成のエンジンなど些細なことですけど。