写真づくりの発想

写真を楽しむビジョンについて、自分の経験をまとめました。

 


作品づくりの発想

《写真を楽しむコツ》

 

 写真は「上達すること」を目的にするのではなく、「楽しむこと」を目的にした方がいいと思います。楽しんでいるうちに上達し、作品も生まれるからです。

 

 まず「技術を身につけてから、後で良い写真をとる」よりも、「撮ってから考える」のが正解のような気がします。

 

 

 私自身は、一眼レフカメラを買って2年ぐらいは、写真もカメラもわからず、ネットや本で色々調べました。

 

 学校で教える教科書的な知識なら、ウェブやYoutube動画がオススメです。
(ただし、英語しかない。日本のプロは秘密主義なのかほとんど教えていない。)

 

 そもそも、「何がいい写真なのか」がわからなかったので、色々写真を見たりしました。絵画も見ました。

 

 でも、自分が主観的に「いい写真」と思える作品を撮っている写真家にはなかなか見当たりませんでした。

 

 目の前に現れたチャンスはすべて挑戦して吸収する。そんなスタンスで前に進んでいます。


 写真は「絵づくり」

 

 

 写真撮影には、情報伝達のための記録写真や出来事を伝える報道写真のようなものではないジャンルがあります。

 

 写真の平面に現実の被写体を写し撮る「絵づくり」そのものを目的にした作品づくりです。

 

 日本では大正時代、西欧ではピクトリアリズム(絵画的な写真)といいます。

 

 これは、壁画の時代を経て、額縁にいれた油絵の肖像画が全盛であった19世紀の後半に写真は発明されました。最初は、科学実験的な記録から始まり、ネガやレンズが発達すると絵画に置き換わるものとして普及が加速化しました(写真史ではピクトリアリズムとされる写真家キャメロン)。

 

 1900年のはじめ頃、肖像画写真を撮る写真サロン(写真館)が普及し、日本でも写真は「芸術」として意識されていました。それまでの油絵肖像画に置き換わるものとしての美的なセンスでは絵画の感覚が意識されていました。(構図、諧調表現など)

 

 印象派絵画は光をとらえる技法も、この写真の影響を受けています。(カメラオブスキュラを使ったフェルメールもそうです。)

 これらの画風はレンズを通してみた光の光景を意識して描かれています。

 

 

 ※その後、戦争記録、ニュース報道などに写真産業は傾倒していきます。新聞社や出版社の中で写真は普及していきました。これにより、芸術作品としての写真の発展は特に日本においては衰退しました。

 

 1970年頃から、風景写真やスナップ写真などの写真ジャンルが、一般個人の趣味としても普及が始まり、現在では個人が楽しむ写真の世界は大きく広がっています。

 

 個人が楽しむ芸術としての「写真」の世界を「作品づくり」を通してひろげていきたいと思います。