入門機とは

入門機は何のためにあるのか


 EOS KISSやミラーレス一眼レフなどは、私の認識では入門機です。

 

それを選ぶ理由は、「初期段階の練習に必要な機能」が全部揃っているからです。

 

  • 全部揃って10万円以下で買える。
  • レンズ選びとか、レンズ交換とかまだわからない。
  • ピントを合わせる練習。
  • 撮影現場で、構図や露出の練習。
  • JPEG画像での撮影までしか、よくわからない。

 

 

観光写真やスナップショットなら、コンデジのほうが便利で簡単です。

 

あえて、デジタル一眼レフの入門機にステップアップするということは、それでしか撮れない写真を撮りたいということが根底にあるはず。

※ここがブレると、入門機の役割を過大解釈してしまいます。

 

 

こういう目的があるなら、入門機は早めに卒業した方がいいと思います。

(入門機で、とにかく1年間で10万枚以上撮影したら、卒業できます)

 

  1. 動いているものを撮りたい。
  2. 夜明けや夕日など暗い環境で撮りたい。
  3. 背景をぼかしたい。
  4. 光の粒を丸ボケとかにしたい。
  5. 花をきれいに撮りたい。
  6. 花や昆虫をマクロ撮影したい。
  7. ポートレートで透き通るような肌や表情を撮りたい。

 

「フルサイズセンサー」の一眼レフで「明るいレンズ」で背景をぼかして描く必要性を感じない場合は、これでよいと思います。

 

 

 私の場合は、高級コンデジから7Dに買い替えたのですが、7Dは3年間で25万枚撮影して、結局、上記の入門機でも出来るような写真しか撮れてなかったと思います。

 

 ですので、安くて高性能な入門機、60Dとかも含めて、は写真道の最初の3年間にはぴったりかもしれません。

 

 (ただし、この期間に「一生に一度の決定的な瞬間」を逃してしまうというリスクはあります。また、いい写真が撮れなくて、つまらなくなって写真をやめるというリスクもあるでしょう

 

 

 

 

 

 

 

コンデジやミラーレス一眼はここが問題


 私はできれば、最初から6Dなどのフルサイズ一眼レフ(安くなった)と明るい描写の良いレンズを買うほうがいいと思っています。

 

最初は無理をしても、3年後には得をしていることに気がつくはずです。

 

 

コンデジやミラーレスがどうして、問題あるか。

 

  • バッテリーが持たない。(一日に300枚とかし撮れない)
  • センサーが小さいので、基本的に「ボケ味」という絵作りの概念がない。(ぼかしたいと皆思いますが、幻想です)
  • 発色の良いスキーっとした絵が取れる良いレンズがない。
  • 段階露出(AEB、ブラケット)が、良い作品づくりに必要な機能が実用レベルにない。(遅すぎて使えない)
  • 液晶モニタの色が「おかしい」、色確認に使えない。
  • 画像処理のエンジンが遅い。
  • 連写などには向いていない。
  • 画質や決定的瞬間を撮るカメラマンではない人にアピールするものづくり。
  • 2年で使い捨ての機種になっている。(ずっと使い込むような製品がない。)
  • 皆開発途上である。

 

 

「でも、ミラーレスも高性能になってるよ」

 

とおもう人は、自分が「いい絵作り」をすることよりも、「利便性」を撮っていることには気がついていない。実際に、使ってみるとわかると思います。

 

「手軽に使える」「軽い」「コンパクト」というのは、「絵作り」に対する妥協をしない状態で意味を持つと思います。

 

 

 

 

 

 

 

入門カメラの種類別の理解


まず最初に、機種別の利用方法について書きます。

 

コンパクトデジカメ

  • 3万円以下の予算しかない。
  • デジタルで写真が写ることを体験する
  • パソコンに画像を保存できるようになる。
  • いろんな構図で撮ってみる。
  • ピントをあわせる。

 

 


つぎに、高級コンパクトデジカメ

  • 一眼レフは高くて買えない。全部で5-7万円なら出せる。
  • 良いレンズのコンパクトデジカメが欲しい。
  • 「弘法は筆を選ばず」まずは撮ることで修練をつみたい。
  • 画質や解像度は、一眼レフ並みの性能だという勘違い。
  • まだ、何を撮るのかという作品づくりのテーマがない。
  • 撮りたい絵が、撮れるかどうかを性能選びしていない。
  • テレビCMなどに感化されて、小さくて高性能に憧れる。
  • いつも持ち歩ける利便性を選んでしまう(よい作品が撮れるかは二の次)

 

 私は、LUMIXのライカにもOEMされていた高級コンデジを「一生もの」だと思って書い3年ほど使いました。

 

 


入門機の最後は、EOS KISSレベルのデジタル一眼レフです。

 

  • 10万円以下でレンズとボディーを揃えたい。
  • 最近の入門機は、とても高性能。
  • 画素数や機能では、中級機と差がないと思う。
  • レンズのほうが、ボディより高いのは信じられない。
  • 一眼レフだけど、Pモードで撮影する。
  • 写っていれば写真だと思える。
  • いい写真は、「ピントが合ってて、逆光じゃない」と思ってる。

 

 カメラボディだけで30万円以上していた中級機種が今は、15万円クラスまで下がりました。レンズは1本8万円クラスのものを3本は必要です。

 

 そんな投資に納得できるまでは、入門機で良いと思います。

(ただし、同じ絵は絶対に撮れませんので)

 

 

私のステップアップの試行錯誤

これから写真をはじめようという人の参考に書いてみます。

 

私は、2005年頃からデジタルカメラでの写真撮影に興味を持ちまし

 

 最初はコンパクトデジカメ、高級コンデジ、そして一眼レフAPS-C、フルサイズ一眼レフへと、ステップアップしました。

 

 

 最初はとにかく、写せるだけで良かった。撮り方を勉強し始めると、いい写真を撮れる技術と機材の関係がわかってきました。ある程度、撮影技術がないと利用価値がありません。また、撮影する対象によって、7Dと5Dは作られているので、5DでF1を撮ることはできません。一方、7Dでは朝の日の出の空は撮れません。いずれも、「いい絵作り」のレベルでの話です。

 

 一眼レフカメラは、撮り方がわかっていなければ、うまく絵作りができません。むしろ、コンパクトデジカメのほうが良い写真が撮れます。

 

 私が、最初EOS7Dを買った時にそうでした。

 コンデジのPモードのJPEG出しの方が、明らかに7DのJPEGよりもいい写真になっていました。

 

 当時は理由がわからず、せっかく高い一眼レフでも、意味ないとおもってがっかりしたものです。

 

一眼レフなのにコンデジレベル以下の写真しか撮れない理由


 

その原因はたくさんあります。

 

  1. コンデジは、センサーが極小さいので「ピントがはるかにシャープ」に撮れる。
    (センサーサイズが倍になると、ピントが合う被写界深度が浅くなり、ピント合わせが難しい)
  2. コンデジは、下手くそでもきれいに見せるお化粧JPEGになっている。
    (一眼レフは、加工しないそのままに近い)
  3. きれいが画像を期待せずに撮るので、出来栄えに満足できる。
  4. コンデジは、Pモードなら、露出、ホワイトバランス、シャッタースピードがカメラまかせ。「写っているだけ」なら、一眼よりも適切な設定になっている。
  5. 一眼レフの安いレンズは、暗い。しかも、ISO100-400ぐらいまでしかノイズのない画像が作れなかった。故に、手ブレを気にするシャッタースピードになる。
  6. 一眼レフのAvモード(絞り優先)は、適正露出に補正する撮影技術がないと常にハズレ露出になりやすい。

 

 私の場合は、一眼レフを始めて2年間ぐらいは暗中模索。3年目にやっと、機能や撮り方の本当の意味が理解でき、4年目にやっと「どういう写真がいいのか」というイメージが湧き始めてくる状態でした。

 

 3年ぐらいして、レンズはコレで、こういう被写体をこう撮れば、こんな絵になる。ということが理解出来るようにになりました。

 

 写真を撮るということを、理解するにはとても努力と時間を要するものだと思います。という今でも、基本的なことからいくらでも学ぶべきことを発見しています。