写真家の標準ソフトは画像加工用のフォトショップではない
ある程度パソコンが得意で5年以上デジタル写真をやっている人は、今でもフォトショップが写真家の標準ソフトだと思っている人が多いようです。しかし、2007年頃から、大きな変革がありました。
デザイナーが使うフォトショップ(初心者には無理)やフォトショップエレメンツ(初心者向けだが画像加工用)を使って、JPEG画像の写真加工(レタッチ)をするのは、現像ではありません。画像加工です。
(フォトショップの機能の一つのCameraRawが現像機能です)
JPEGはカメラ内で自動RAW現像した劣化画像です。インスタントのポラロイド写真です。色も8bitしかなく、一眼レフのRAWデータの14bitと比べると数百倍の差があります。RAW撮影しないなら、何のために一眼レフや高画素カメラを使う意味がありません。
一眼レフカメラでJPEG撮影をするのは、コンパクトカメラのレベルの使い方です。フィルム時代なら、「写ルンです」か、「ポラロイド」カメラで作品づくりをしているようなものです。
写真家ならばRAW現像を覚えて、きちんと色調整をして仕上げるべきです。
現在のカメラ技術では、撮影時に適切な光と色をコントロールするレベルには程遠く、いまだにフィルム写真の方がいいと言われることが多いです。
また、世界のプロ写真家の写真の99%以上はRAW現像やレタッチ加工によって作品仕上げがされている事実を知らない人が多いです。腕の良い写真家は「一発撮り」だけで写真が出来上がるというのはウソです。
ライトルームがスタンダード
写真管理とRAW現像の標準であるライトルーム(Lightroom)を使うことをお勧めします。ライトルームはフィルム時代の暗室作業(Darkroom)を、明るいパソコンで行うのでLightroom(明室)という名前になったアドビ社のソフトウエアです。
2008年頃から性能が格段に向上し先行していた他社製品を圧倒するまでになりました。アドビ社は印刷デザイン業界の標準フォトショップで有名な世界トップ企業です。
同様の機能を持つソフト
実は「消えた暗室作業」がデジタル時代に復活した!
現像とプリントは、写真家自身がやるものという常識は1980年頃にはなくなったので今の写真ファンは知らない人が多いと思います。
(私自身がそうでした)
昔のフィルム時代の写真家は、「暗室」でフィルムを現像し、印画紙にプリントしていました。これは白黒の作品づくりに必要な作業でした(だったようです)。
世界的に認められている本当の暗室作業は、アンセル・アダムズの暗室作業を研究してください)。
しかし、1970年頃からカラー写真が一般化し1980年代に自動機械DPEが当たり前になると、白黒写真は新聞雑誌のカメラマンだけに。写真は撮るだけ、後はカメラ屋におまかせが当たり前になりました。
そのために、「写真は撮るときにきっちり撮れば、そのままが作品だ」などという勘違いが一般的になりました。(撮影時に出来る限りの最高の画像を撮るのは当然のこと)
プロでも、フィルムの現像と印画紙プリントは自分で作業ができないので外注先します。露出とホワイトバランスの補正をプロラボに指示するだけの人が多いのが現実です。しかし、実際に色味や明るさを指示して希望通りの仕上げるのは、時間とコストから考えて不可能なことです。それが出来るプリント技術者はアマチュアの手が届くところにはいません。(ただし、自分でRAW現像できないなら、まかせるしかありません)
自分で作品づくりができないフィルム写真の限界を理解できれば、自分自身で作品づくりができるRAW現像の価値がわかると思います。
そのためには、RAW現像で色や明るさを調整する技術を磨くことが必要です。(数千枚もやれば、ある程度はわかってきます。個人指導します!)
パソコンでRAW現像というのは、新しもの好きのパソコンように思うかもしれませんが、実はフィルム写真の暗室作業に原点回帰しているというのは驚きです。