元画像の問題と現像による改善

雪が降り積もる山と空の画像のビフォア・アフターをご覧ください。

 

以下の調整を行っています。

  1. アンダーに撮影されている画像の露出のプラス調整
  2. 色かぶり補正
  3. 色温度調整(寒い冬の色)
  4. 黒つぶれがちなシャドウ部の明るく補正
  5. シャープなくっきり画像に補正

 

青と黄色と赤と緑とグレーのヒストグラムの山がありますが、その高くそびえる頂上の位置関係を確認しましょう。

 

露光をプラス補正することで、全体が左寄りから、右寄りに変化しています。

 

  1. デジタル写真は、暗い部分の解像は苦手という特性が有ります。そのため、ヒストグラムは全体の重心が少し右に寄っているぐらいがベストな画像になります。
  2. また、暗めに撮ると、ノイズが出やすくなります。これもデジタル写真の苦手なところです。
  3.  白い雪を撮影するときには、白飛びで階調がなくなるのは一番避けなくてはいけません。どうしても、アンダー目な写真になります。それでも、「白飛びさせずに明るく撮る」ことにチャレンジする必要があります。

※そんなときには、ブラケット撮影

 

 もちろん、Avモードの自動で露出を決めると、手動補正が足りないと、白がグレーになるという基本も有ります。

 

 

現像仕上げ後の画像

アンセル・アダムズのゾーンシステム

「デジタル現像仕上げ」は私がつくった造語ですが、フォトショップでの画像加工ではなく、フィルム時代の暗室作業の作業によって写真作品をつくりあげる手順を、デジタル写真に適用しています。

 

 写真作品づくりにおいて、パソコン術はとても重要です。

色と明るさと形を、どうやってパソコンで仕上げるのか。

 

RAW現像は、ただのJPEG変換や画像加工ではありません。

 

 アメリカの風景写真家として最も有名なアンセル・アダムズは、戦前から戦後にヨセミテ公園の自然風景撮影で活躍しました。

 

 彼は、当時の暗室の現像処理と焼付けプリントにおいて、芸術的かつ科学的なアプローチで写真撮影から写真作品づくりを体系化しました。大学でも教えていた彼の3部作は有名です。

 

 RAW現像をする上で、アンセル・アダムスのゾーンシステムや作品づくりの理想はとても参考になります。