Cさんのモニタの色管理

皆さんはモニタの「色管理」をしているでしょうか。カラーマネジメントです。


 フィルム写真のベテランは、レンズの前に、カラーフィルタをつけて光の色と輝度を調整していたのですが、そんな技術も今は昔となってしまいました。

 フィルム写真のようにデジタルも撮れると思っている人なら、当然フィルターをつかってカラーマネジメントするべきですが、撮影時にそんなことをするひともみることはなくなりました。


 デジタル写真では、余計なフィルターをレンズにつける必要ななく、ポストプロセス、つまりRAW現像の段階で、色と輝度を調整するのです。

 RAW現像は、ライトルームなどのソフトでパソコンを使って行うのですが、一般のパソコンモニタは、色管理が写真の評価に使えるようなものではありません。


 実は、無茶苦茶な色のモニタで、デジタル写真をみているひとがほとんどです。


  1. JPEG撮影で撮りっぱなしの写真、撮影者なりにはそこそこ撮れたつもり。
  2. 画面が明るすぎる。
  3. 露出補正を、キャノンならDPPなどで適当に調整する。
  4. プリンターで印刷すると画面と全然ちがい真っ黒な画像にびっくり。
  5. 紅葉の赤や空の青が全然変な色になってしまう。


 もし、あなたが、こんな違和感を感じていなかったとしたら、写真の作品づくりをしたことがないただのカメラ機材マニアなのではないでしょうか。色管理もしていないモニタを使っていて、写真が上達するはずはありません。


 自分でプリントしているひとでも、画面とプリントの色や明るさのずれは、適当に調整して合わせたつもりのひとが多いようです。


 また、ラボにプリントをオマカセの場合は、わかってないひとが多いです。写真が無茶苦茶な状態でも、ラボが調整して何とか、見れる様になっているだけなのです。


 写真は、撮影時にベストな条件で撮影すれば、色加工は必要ないというのは本当ですが、撮った写真を「色や輝度がズレたモニタ」で見て平気なひとが、ちゃんと撮影時に撮れるとは思えません。調律のずれたピアノで練習をしても平気なピアニストは、上達することはありません。


 実は、色のズレや輝度のズレには気づいているけど、それが調整できることは知らない。だから、しょうがないとあきらめているひともいるかもしれません。



きちんとした色管理をする


 Cさんは、アマチュア写真家の上級レベルの方です。長年フォトショップの写真のレタッチ教室で、モニタ・キャリブレーションの手順を習って、色管理のことはよくご存知でした。しかし、数十万円もするカラーマネジメント・モニタやキャリブレーション用の色スキャナー機材などはとても買える価格ではなくあきらめておられました。


 Cさんに、2012年頃から安価なモニタキャリブレーション用のスキャナー機器が買える様になっていたことを知らせると、早速、設定して使いたいと相談がありました。



実際のモニタ調整作業


 通常の安いパソコンモニタに、色スキャナーを使うだけで、正確な輝度と色が調整できるのです。X-RITそしてSpiderというメーカーの機器を使います。


 Cさんは、Spiderのものを約2万円弱で購入され、それを私が設定作業しました。

印刷会社で使用する本格的な機器だと、20万円以上するものです。


 色のキャリブレーション作業は専用ソフトの指示通りに行えば良いのですが、その理屈ときちんと作業ができたのかどうかは、使ったことがないと不安なのでやってほしいということで、私がサポートしました。


 設定には、30分程度かかります。


 補正前、補正後の比較が画面で確認できるのですが、黄色っぽい顔の写真が、青方向に補正されてスキっとした白の発色になりました。


 また、私が見たところ、最初は、やはり「明るすぎるモニタ」でしたが、キャリブレーション作業によって、ちょうどよい少し暗めのモニタになりました。少し暗めだと、現像した写真が明る目に仕上げることができます。それを、プリンタで印刷すると、もともと暗いインクの発色が「明る目」に補正され、ちょうど良くなるのです。



RAW現像もバッチリ


正確な色と輝度に調整されたモニタで、写真の現像や仕上げを行えるようになりました。


その後、RAW現像ソフトの世界標準のライトルームを使って、写真の現像を学びたいという相談もあり、8時間程、何回か個人指導で勉強していただき、見違えるような写真の仕上がりに驚かれています。